ソルティッドエッグって?
ソルティッドエッグとは、アヒルの卵の塩漬けのことです。東南アジアや台湾では日常的に使われる食材で、フィリピン人の友だち曰く、小学校の夏休みの宿題でソルティッドエッグを手作りさせられたんだとか。こちらの人たちにとっては子どもの頃から親しんだ大好きな味のようです。マレーシアの中華料理屋さんにはソルティッドエッグを使った料理が色々ありますが、はずれがなくどれも美味しいです。
スーパーには真っ黒の状態で売られていて、洗うと左のような卵が出てきます。4個で100円ほどです。初めてみた時は、この真っ黒の物体にとまどいましたが、友だちに料理の仕方を教わってからは気に入ってよく買うようになりました。黒いものは炭に塩を混ぜたものです。
どう使う?
一番ポピュラーなのは、おかゆです。中華おかゆにはほぼ必ず、ゆで卵にしたソルティッドエッグが添えてあります。黄身のクリーミーさがぎゅっと凝縮されて普通のゆで卵とは全然違う味です。とてもいい塩梅で、これのおかげで薄味のおかゆが無限に食べられます。また、調味料としていろいろな料理に使われます。チキン、エビ、イカ、かぼちゃ、揚げ豆腐、何でもおいしくしてしまう万能調味料です。フィピン料理では、茹でてサラダにも使います。
他にも、黄身を使ったスイーツは東南アジアで大人気です。
👇写真はシンガポールのIrvinsのものですが、こんな風にクッキーやパイの中に濃厚なソルティッドエッグソースが入っているものや
👇飲茶ではこんなメニューも人気です。ふわふわの蒸しパンの中に、とろりとソルティッドエッグの黄身のカスタードソースが入っています。甘じょっぱいソースが最高です。感動します!
👇ポテトチップスになってもすごく美味しいです。
他にも、白餡のおまんじゅうの中に蒸したソルティッドエッグの黄身が丸ごと入っているものもあります。甘さとしょっぱさ、クリーミーさが絶妙でクセになります。
こんな感じで、マレーシアに限らず東南アジアで大人気の食材です。
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作り方
日本でも食べたい!ということで探しましたが、お店ではなかなか見つからず。マレーシアのレシピサイトで、家で作る方法を見つけたのでチャレンジしてみました。本来はアヒルの卵で作りますが、日本で手に入る鶏の卵でもできます。とても簡単です。
【材料】
卵 10個
塩 200g
水 800ml
花椒 10個ほど
(オプションで)
スターアニス 1個
紹興酒 大1
【作り方】
①鍋に水、塩、花椒、スターアニスを入れ沸騰させる
②塩が完全に溶けたら火を止め、しっかり冷ます
③紹興酒を入れよく混ぜる
④清潔なガラス容器に卵と液を入れ、卵が完全に液体に浸かるようにする
⑤30日常温で寝かせれば完成
料理に使ってみた
実際に作ってみました。塩200gが思ったより多くてびっくりしましたが、生卵を保存食にしてしまうわけなので、塩の量はしっかり守った方が良さそうです!スターアニスはなかったので入れませんでした。
👇液体がしっかり冷めたので卵を漬けました。ビンは熱湯消毒がめんどくさいので、ジップロックを使いました。この写真のものは、紹興酒を入れていないバージョンですが、紹興酒を入れると少し茶色がかった液体になります。卵がしっかり液に浸かるよう密封して室温で1ヶ月寝かせました。
👇1ヶ月後
卵を一つ割ってみました!綺麗なオレンジの黄身が出てきました。この状態でも料理に使えますが、もう少し寝かせて黄身を手でつかめるぐらい固くなる頃が理想です。白身はサラサラしています。白身は塩分が濃いので、黄身だけを料理に使うことが多いです。
👇取り出した黄身だけを3分くらい蒸し、潰してから調味料として料理に使います。
自家製ソルティッドエッグでいろんなレシピにチャレンジしてみました。
👇ソルティッドエッグとエビ
👇ソルティッドエッグチキン
👇ソルティッドエッグとイカ
写真はないですが、ソルティッドエッグかぼちゃ、フライドポテトのソルティッドエッグソースも美味しかったです。バターが必須なのでカロリーはお高めになりますが、優しい甘さとしょっぱさが絶妙でとても気に入りました。今は新しい我が家の調味料としてソルティッドエッグを常備しています。
ちなみに、ソルティッドエッグはカレーリーフとの相性が抜群です。東南アジアでは一般的に使われるハーブで、油で炒めると食欲をそそる香ばしい香りが立ちます。あまりに恋しくて日本でカレーリーフを育て始めたほどです。こちらの記事でご紹介しています。
YouTubeで英語で検索するとソルティッドエッグのレシピがたくさん見つかります。今度は台湾のレシピもチャレンジしてみたいなと思っています。